2009年4月5日日曜日

6.歌うテクスト、笑うトマト

「オオカミの桃」という美味くて高いトマトジュースがある。

『ブラザー・サン シスター・ムーン』
80年代の青春。三角関係。この奇蹟の時間にめぐりあえたか。昔は欠乏感ばかりだった。今は確かにあったと感じることができる。そんな小説だった。
セックスはあるのに、セックス描写がない。
退廃的なのに、退廃がない。
そんな今のケータイ小説の対極にある作品だ。
『はじらひ 含羞 我が友 中原中也』
羞恥心は変換できるが、含羞はがん州となるノートPCにまずは絶句。
これも三角関係、ちょいとBL系のコミック。モーニングの連載にはたまにこういうのがあるようだ。
小林秀雄がマイブームということもあり、関連書を読んでいるのだが、今は品切れだったので、アマゾン・マーケットプレイスで購入。ちょいと高い。
小林秀雄と中原中也、そして女優の卵の三角関係というのが表面的な関係。しかし実は、秀雄と中也の愛憎に周囲が振り回されている。中也は秀雄との関係を「詩人と批評家」に固定しようとしたが、秀雄には、そんなものではない感情があった。

『明智左馬助の恋』
アマゾンといえば、出品すると即売れるのが加藤廣で、売れないのが浅田次郎である。
さて、本能寺三部作もさすがに明智側だとネタ切れか。『へうげもの』以来、織部に興味を持っていることもあり、本能寺の変も謎のひとつだが、その時までの歩みが今回はあまりに平凡だ。おしい。
しかし、「信長の野望」を左馬助と狩野永徳の対話で語るあたり、すごい。
安土城の日と月、暦との関連とは。

『夕映え天使』
売れない浅田次郎の最新短編集。酒を飲んだ勢いで読んだので、ほとんど残らない。
人生が引き算という側面があることを気付いた自分には、リサイクル対象か。

『駅弁ひとり旅1』
九州一周の駅弁旅。アクションは時折、すごい作品があるというが、この情報量がすごい。
手元に残したい。

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