2009年6月23日火曜日

87.ハゲタカか腐蝕列島か

『ハゲタカ』は結局、M&Aという道具立てを使ったハードボイルドだから、主人公は悩まない。
『金融腐蝕列島』は銀行員といえど、一介のサラリーマンだから、悩む。
失敗もする。悩みながら、法のすれすれのところをこわごわ歩いたりする。
同じような事件を下敷きにしながら、読後感が異なるのは、「悩む」の一点につきる。
ビジネスの現実解は、絶対的なものではなく、ある種、相対的で、その場面の最善とみんなが信じることをやっていくしかない。たとえ、明日になったら、最悪だとしても、今日、最善だったら、やる。
そのために、いろいろと悩む。弱い、しかしもてる。
このあたりが、通勤電車のお供だからか。
高杉良はタダモノではない。

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