2014年4月12日土曜日
652.久しぶり
機内誌というものがある。そして機内誌マニアという友人がいる。彼によれば、日々のフライトに耐えるために上質かつ丈夫に作られていて、その国の印刷・製本の品質がわかるらしい。多言語取得者である彼のことだから、その国の大御所作家のレベルがわかるかもしれないし、あるいは紙とインクフェチで、その国の香りを感じているのかもしれない。
そんなこともあるのかと、彼の視点に感心したものの、私自身は雑に扱っている。
主に国内出張なので、国内2社の機内誌と通販カタログを走り読みして、終わりだ。ひょっとして上等な席は必要ないのかもしれないが、ブランケットをお尻と背中にしき、シートベルトを締め、リクライニングもそのままで、ただ眠る、もしくはたまに読書する程度しかやることのない私と機内誌の関係はその程度だ。
ある大御所作家は「『作家はヒマである』と思っていた」と書いていたが、彼の旅のエピソードは覚えていない。友人と再会した話も航空会社の新キャンペーンもCA商品開発のバッグも全く覚えていない。
しかし、前から気になっていたある街の美味い話の場合、私はそのページを破る。
破る。
この「破る」という行為について、われながら、かなり迷惑な行為だとは自覚している。
1.自由に持ち帰ることができるのだから、その場で破ることなく持ちかえればいい。
2.頑丈に綴じられた機内誌をびりびり破るのは、うるさくて迷惑だ。特に睡眠中の隣の客に申し訳ない.
3.きれいに破けない、しかも私は不器用だ。そんなものをただクリアファイルに入れて持ち帰り、自宅の部屋をごみだらけにして、しかもまずは二度とみないことに、同居人は怒る.
4.万が一、破られた機内誌が次の便に残ったら、乗客が不快な思いをする。
5.あるいは、そこに何かのメッセージを感じ、あるいは読み取ろうとして、事件になる。
情報が欲しいなら、メモするとか、携帯カメラで撮影して保存するとかいろんな手があるだろうに、そんな手間が億劫で、破ってしまう。不器用だから、店の電話番号の最初の数字が欠けたりして、がっかりする。
でもやめられない。
今度、友人のCAに聞いてみよう、機内誌を破ることについて。ブランケットはたたんだりせずにそのまま放り出した方が面倒くさくないようだが、これは迷惑だと言われるだろうな。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿